全医労は、職員の雇用確保、賃金・労働条件をかちとるたたかいとともに、国民医療・国立医療を守るたたかいを基本に取り組んできました。国立医療は国民の共有財産であり、病院を守るということは、患者、国民・地域住民を守ることであり、職員を守ることだからです。
1948年の全医労結成以来、国・厚労省・国立病院機構は、患者・国民不在の中で国立病院の廃止・統合・移譲の攻撃を行ってきましたが、全医労は「国民とともに国立医療を守る」ため、全国各地で「守る会」をつくり、患者・地域住民とともにたたかってきました。
今、また、安倍政権による社会保障費削減の名のもとで患者・弱者切り捨ての医療の大改悪がすすめられています。国立病院においても、八雲病院・徳島病院の廃止計画のみならず、「地域医療構想」という病床の大削減攻撃によって全ての国立病院が再編成の対象になっていると言っても過言でない状況です。
全医労は、医療と仲間を守るという基本方針に基づき、「ひとつの国立病院もなくさない」ための運動を全国で展開していきます。
再編成の突破口として厚生省が長寿園廃止を発表。住民が立ち上がる(1984年)
いま、国立ハンセン病療養所は全国で13施設あり、1,280人(2018年10月時点)のハンセン病回復者が療養生活を送っています。
日本政府は、1907年「癩予防に関する件」を制定以来、ハンセン病患者の強制収容・強制隔離政策を取り続けました。
1996年「らい予防法」が廃止され、ハンセン病療養所は隔離施設ではなくなりました。しかし、何十年もの間社会から隔絶されたまま平均年齢が86歳を超えた入所者の方々にとって、ハンセン病療養所は終の棲家となっています。
入所者の方々は、ハンセン病の後遺症だけでなく障害の重度・重複化、高齢による認知症の発症等多くの障害を抱えながら療養生活を送っています。
全医労は、国の誤った政策によって未曽有の人権侵害に晒された入所者の方々に、「生きていてよかった」と思える療養生活を送ってもらえるよう医療、看護、介護・福祉の充実・強化を求めています。
国立高度専門医療研究センター、国立病院機構は、国が担うべき19の政策医療(がん、循環器、成育医療、呼吸器疾患(結核含む)、長寿医療、国際医療協力、重症心身障害、神経・筋疾患(てんかん、筋ジストロフィー等含む)、精神疾患、など)について医療を提供するとともに、臨床研究、教育研修、情報発信等を行っています。
また、重症心身障害や筋ジストロフィー等においてはセイフティネットとしての役割を果たすとともに、重症心身障害においては、児者一貫での医療・療育を展開しています。
全医労は、すべての疾患において、安心・安全の入院・療養環境を実現するため、多職種の連携の強化とそのために必要な人員配置を求めています。