全医労の紹介

全日本国立医療労働組合(ぜんにほんこくりついりょうろうどうくみあい、略称:全医労=ぜんいろう)は「労働組合」です。労働組合とは、ひとりでは立場の弱い労働者が集まり、助け合い、働く環境をよくしようとする団体です。 私たちは国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、国立ハンセン病療養所で働く労働者でつくる唯一の労働組合です。医師・看護師・医療技術者・事務・調理師などのサービス部門・院内保育所など、全国で2万人の仲間が全医労に加入しています。 安心して働く職場をつくるため、病院と話し合い(団体交渉)を行い、賃金・処遇の改善を求め、これまで多くの改善をしてきました。 「休みがとれない」「パワハラ・マタハラ」「職場でのトラブル」「医療事故」など、困ったことがあったら、どんなことでも全医労に相談を。いのちを守る職場だからこそ、いつも笑顔で元気に働いてほしい。そんなあなたを守るために全医労があります。

全医労紹介パンフレット(クリックするとダウンロードできます)

全医労の組織

全日本国立医療労働組合(略称:全医労、英語名:Japan National Hospital Workers’ Union、前園むつみ委員長、組合員数は2021年5月現在1万9451人)は、 1948年10月20日に結成されました。 全医労は単一組織であり、全国158の支部を基礎単位(2019年5月現在、161病院のうち157カ所に支部があり、そのほかに全国の専従書記で作る書記局支部が1つ)としています。 全医労の活動を円滑にするために、地区協議会(おおむね都道府県ごと)、8つの地方協議会(おおむねブロックごと)を構成しています。
全医労本部
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-48-3 全医労会館 電話:03-5940-8600 ファクス: 03-5940-8601 E-mail:[メール]
全医労北海道地方協議会
〒003-0803 札幌市白石区菊水3条2-5-6 ヴァンドーム菊水1F 108号室 電話:011-837-5566 ファクス: 011-811-7111 E-mail:[メール]
全医労東北地方協議会
〒983-0045 仙台市宮城野区宮城野1-26-21 カンノビル2階 電話:022-295-7393 ファクス: 022-295-0989 E-mail:[メール]
全医労関東信越地方協議会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-48-3 全医労会館 電話:03-5940-8900 ファクス: 03-5940-8901 E-mail:[メール]
全医労東海北陸地方協議会
〒456-0006 名古屋市熱田区沢下町9-7 労働会館東館401 電話:052-871-7856 ファクス: 052-889-1140 E-mail:[メール]
全医労近畿地方協議会
〒542-0012 大阪市中央区谷町7-2-2-204号 電話: 06-6768-6531 ファクス: 06-6761-8783 E-mail:[メール]
全医労中国地方協議会
〒734-0007 広島市南区皆実町6-11-9 電話: 082-251-0111 ファクス: 082-505-0035 E-mail:[メール]
全医労四国地方協議会
〒760-0073 高松市栗林町2-14-39 昭和ビル2階 電話:087-802-3131 ファクス: 087-802-3137 E-mail:[メール]
全医労九州地方協議会
〒812-0011 福岡市博多区博多駅前4-6-7 電話:092-441-8606 ファクス: 092-412-1683 E-mail:[メール]

決議機関と執行機関

  • 最高決議機関である全国大会を年1回開催し、むこう1年間の運動方針を決めます。
  • 全国大会に次ぐ決議機関である中央委員会は年1回開催します。
  • 全国大会および中央委員会の決議を執行するため、決議機関で選出された中央執行部役員(委員長、副委員長、書記長、書記次長、中央執行委員、特別中央執行委員)で構成する中央執行委員会が置かれています。

全医労女性部の紹介

医療現場では、女性職員が大多数を占めます。あらゆる職場に女性がいます。病院の効率最優先の経営で職場の労働実態が厳しくなっていますが、女性には妊娠・出産・育児や介護、家庭の責任などの重さが加わり、さらに負担が大きくなります。 女性部は、女性が出産して子育てをしながら、また介護をしながら安心して働き続けられる職場をつくることをめざしています。そのため、母性保護をはじめとした諸制度を学習・宣伝し、取得しやすい職場づくりをめざしています。 また全国で働く女性が交流し、職場の悩みや問題を共有するとともに、団結して職場をかえようと意思統一するため、年1回全国女性集会を開催しています。

10.27日比谷集会後のデモ行進(2006年10月27日)

全医労青年部の紹介

青年部では「なかまづくり、青年の要求実現、学習」の3つを柱に取り組んでいます。

「ダイナマイト・ゼンイロウ in 岡山」で(2018年9月22日)

なかまづくり

青年部では、青年たちが自分の悩みをみんなで話ができるような交流の場を企画し、自分の職場だけでなく、職場を越えた仲間をつくり、楽しく交流をします。2年に一度の全国青年集会「ダイナマイト・ゼンイロウ」では、全国の国立病院で働く青年が集まります。スポーツをしたり、観光地を散策するなどを通じて、職場を越えた仲間をつくり、楽しく交流します!この他にも楽しい企画がたくさんあります!

青年の要求実現

充実した医療を患者さんへ提供するためには、同時に現場で働く職員も働きやすい職場環境にしていくことが必要です。ハラスメントや休みが取れない等、職場の問題をどうすれば解決できるかを協力して考え・行動しています。

学習

職場で起こった問題解決のためには、学習が必要です。青年同士で職場の悩みを語り合い、働くためのルールや自分たちの権利などを学びます。働くルールや権利を知っていれば、自分のことも守れ、周りの仲間も守れます。

組合費の使われ方

労働組合の運営・活動は、組合員からの組合費による非営利事業です。組合費の予算や使われ方は、毎年7月に開催される定期大会で決定、公開されます。組合費は、基本的には給与天引きで毎月定額が組合費として引き落とされ、組合活動に充てられます。 組合費の使いみちは、前述のとおり大会で年度ごとの予算によって決められますが、考え方の基本は「困ったときに助け合い、相互に支え合うために使われる」ということです。 具体的には、日々の労働環境の改善や職場の問題点を話し合う組合会議と賃上げ要求、賞与交渉などで、労働者の生活と権利を守ること及びその社会的地位の向上など必要な諸活動のために使われます。そのほかに、組合員の福利厚生、学習・広報活動、他団体との共闘、そして組合専従者などの活動費になっています。

全医労の歩み(関連事項を含む略年表)

1946年8月 全療(全日本国立療養所職員組合)結成
1946年12月 国病(全国立病院労働組合組合)結成
1948年11月 国病(1万5千人)と全療(1万2千人)が合同し、全医労を結成(本部を東京都中野区新井町に置く)
全医労結成大会(別府市・1948年11月)
1949年9月 レッド・パージの弾圧で1千人が追放される
1952年1月 厚生省が国立病院6カ所の地方移譲方針発表
1953年12月 人事院が「看護婦週44時間」の判定
1957年8月 日本医労協(現:日本医労連の前身)結成
1959年8月 高田病院で「妊娠制限」撤回させる
1959年12月 新潟支部の米山忠治支部長に対し、配転拒否を理由に懲戒免職処分
1961年8月 全医労会館が東京都新宿区四谷4丁目に落成
1963年3月 第1回全国婦人活動者会議開く
1963年4月 人事院に夜勤制限の行政措置要求を提出
1963年11月 全国30施設で人事院の夜勤実態調査実施
1965年5月 人事院の夜勤判定(看護師の夜勤は、複数・月8日以内)出される
1965年8月 夜間看護手当新設される
1968年7月 米軍占領下の沖縄官公労医療支部(10病院)が全医労に準加盟
1972年3月 第1回全国青年集会開く
1975年7月 全国大会で書記の組合員化を決議
1979年8月 賃金職員の共済加入裁判を提訴
1980年9月 全医労が国公労連に正式加盟
1980年12月 全医労と全厚生が厚生共闘を結成
1981年7月 第二臨調が、国立医療破壊の5項目など答申
1984年8月 厚生省が長寿園廃止・西群馬病院との統合打ち出す
1986年3月 長寿園廃止阻止住民総決起集会に1500人が参加
1986年3月 今井厚生大臣が「長寿園を分棟として存続」を回答
1985年2月 国立病院・療養所再編成問題懇談会が、統廃合・移譲・民間委託の意見書を厚生省に提出
1986年1月 厚生省、74施設切り捨ての再編成計画発表
1987年3月 国立での存続・強化を求める地方議会決議が9割、3000議会に
1987年9月 国会請願署名448万人分、団体署名9308通を提出
1987年9月 参議院社会労働委員会で藤井委員長が「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案」反対を意見陳述
1987年9月 「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案」が自民単独で成立
1989年10月 阿久根病院の出水郡医師会への移譲強行
1990年5月 日本医労連のナースウェーブ中央行動に3150人が参加
1991年3月 組合員が4万6千人を突破
1991年11月 勤務時間に29分食い込む11.13時間内職場大会を実施(237支部3万226人を結集)
「看護師増やせ」ストライキ(医療センター・1991年11月13日)
1992年3月 厚生省が11.13時間内職場大会参加者に対し不当処分(戒告173人、訓告399人、厳重注意2518人)。全医労は厳重抗議
1992年4月 全医労被処分者、人事院に不服審査請求
1993年1月 厚生省保健医療局国立病院部長が北海道管内各施設長に「改善計画について」(健医発第64号)を発出。賃金職員削減、処遇切り下げ、雇用中断の強行を指示
1993年11月 「守る会」中央行動で、「国立病院・療養所を存続・拡充し、国民医療の充実を求める国会請願署名」408万人分を提出。衆参190人の国会議員が紹介議員
1993年12月 厚生省保健医療局国立病院部長が北海道管内各施設長及び国立らい療養所長を除く全施設長に「改善命令」(健医発第1282号)を発出。賃金職員の給与・諸手当と休暇など処遇の切り下げ、1862人の削減を指示
1993年12月 全労連規模の「国立医療・全医労攻撃阻止、国民医療を守る闘争委員会」が発足
1993年12月 全医労、賃金職員の給与・休暇制度確立の行政措置要求書を人事院に提出
1994年2月 賃金職員攻撃阻止の8波にわたる中央行動を配置
1994年8月 「11.13時間内職場大会」に対する不当処分不服審査請求棄却判定の取り消しを求め、厚生省と人事院を実質的な被告として東京地裁に提訴(いのち守る裁判)
1996年3月 日本医労連、二交替制導入反対、厚生省前抗議の48時間実施。460人(うち全医労57人)が参加
1996年12月 「二交替制反対」国会請願行動で署名51万人分を提出。101人の国会議員が賛同署名
1997年1月 新春白衣の座り込みに、のべ1230人が参加
1997年11月 ILO第240回理事会が、全医労の組合活動を保障し、是正を求める等の日本政府への「勧告」を盛り込んだ「結社の自由委員会第308次報告」を採択
1999年5月 「国立病院・療養所の廃止、民営化、独立行政法人化に反対する国会請願署名」164万人分を提出、934の地方議会決議、146人の国会請願署名の紹介議員
2001年5月 「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟で、熊本地裁が原告勝訴の判決。国は控訴せず
2002年4月 厚生労働省、再編成拡大見直し12ケースの「対処方策」発表。後医療もないまま廃止策を決定
2002年11月 「いのち守る裁判」で最高裁が上告棄却
2003年12月
「賃金職員を守れ」と厚労省前抗議行動(2003年12月17日)
2004年4月 国立病院機構が発足。賃金職員の雇用打ち切りを強行
2004年4月 国立病院機構発足の際に院内保育所は民間企業(ピジョン(株))に一括委託される
2004年7月 国立病院機構を相手に28人の原告団代表で独法化に伴う「不利益・雇止め是正」を求め、東京地裁へ提訴(全医労不利益・雇止め是正裁判)
2004年12月 賃上げ、一時金、組合休暇新設で中央労働委員会へ初めてのあっせん申請
2006年5月 「行政改革推進法」成立。国家公務員の5%削減。国立高度専門医療センターの2010年度非特定独立行政法人化、国立病院機構の2009年度非特定独立行政法人化の検討が決定される
2007年12月 「独立行政法人整理合理化計画」が閣議決定
2008年1月 国立病院機構、業績評価制度の導入を強行
2008年6月 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律(ハンセン病問題基本法)が成立
2008年10月 国立循環器病センターの看護師・村上優子さんの過労死認定裁判で大阪高裁が勝利判決(11月13日、国が上告を断念し、勝利判決が確定)
2008年11月 初の「いい・いちにち行動」、一日で95人が全医労に加入
2008年11月 中央労働委員会労働者委員に淀房子さん(当時・前全医労副委員長)が任命される
2009年8月 初めての療養介助職集会開く
2009年11月 非常勤職員の忌引休暇の有給化と病気休暇の制度化(無給)を実現
2010年4月 国立高度専門医療センターが6つの独立行政法人(非特定)国立高度専門医療研究センターとして発足(非公務員型に)
2010年4月 内閣府に設置された行政刷新会議が国立病院機構の「事業仕分け」を実施。さらなる「効率化」求める
2011年3月 国立病院機構と厚生労働省に「東日本大震災の対策強化に関する緊急要求書」を提出
2012年2月 平均7.8%の賃下げとなる「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(公務員賃下げ法)が成立
2012年5月 国公労連が「公務員賃下げ違憲訴訟」(東京地裁)に全医労からも2人が原告に
2012年8月 機構本部との給与改定問題の団交で一般職員の賃下げを回避。国立高度専門医療研究センターでも同様の措置
2012年9月 「全医労不利益・雇止め是正裁判」で最高裁が上告を棄却
2013年2月 政府が中央労働委員会労働者委員に全医労の岸田委員長を選任
2013年5月 新全医労会館が東京都豊島区南大塚1丁目に新設移転
2013年5月 再編成計画最後のケースである香川小児病院と善通寺病院が善通寺病院の地で統合
2014年6月 独立行政法人通則法「改正」法が成立。国立病院機構は「中期管理目標法人」として非公務員型へ。国立高度専門医療研究センターは「国立研究開発法人」に
2014年8月 人事院が地域間格差拡大、ベテラン職員賃下げの「給与制度の総合的見直し」を勧告
2014年8月 ハンセン病療養所の職員定数の取り扱いについて、全療協、全原協、全弁連による統一交渉団と厚生労働省が「15年度から19年度まで定員削減から実質除外」とする合意書を締結
2015年2月 国立病院機構が静岡富士病院の廃止を発表(2016年度に静岡医療センターに統合予定)
2015年4月 国立病院機構が非特定独立行政法人(非公務員型)に移行
2015年6月 国立病院機構が八雲病院廃止計画を発表(18~19年度を目途に北海道医療センタ、函館病院に統合)
2015年11月 国立病院機構で全医労がストライキ権を確立
2016年5月 5年連続組合員増勢を達成
2017年2月 全医労が東京都労働委員会に対し救済申請を求めていた「国立病院機構による不当労働行為事件(団体交渉拒否)」で勝利的和解勝ち取る
2017年5月 国立病院機構16年度賃金についての中労委あっせんで、「経営状況説明会を年2回程度設けることについて、労使双方が真摯協議すること」を受諾
2017年6月 国立病院機構との団体交渉で「非常勤職員の夏季休暇2日(無給。7月から適用)」を確認
2017年8月 中労委あっせん(17年5月)にもとづき、国立病院機構が全医労に対し「第1回経営状況説明会」
2017年10月 静岡富士病院が静岡医療センターに機能移転
2017年10月 「公務員賃下げ違憲訴訟」で最高裁が上告棄却
2018年2月 国立病院機構が徳島病院の実質廃止を発表(東徳島医療センターとの機能統合を2022年度に予定)
2018年4月 院内保育所はピジョン(株)の受託撤退により、1年先行して委託先が変更になった保育所を含め115の保育所が新たに38の受託業者に変更された
2018年7月 都城医療センターの事務職員が2016年に過労自殺したことについて、都城労働基準監督署は違法な長時間労働をさせた疑いがあるとして、同機構と当時の上司を労働基準法違反容疑で、書類送検(2019年1月、都城区検察庁は国立病院機構を略式起訴、都城簡易裁判所は罰金50万円の略式命令。上司については宮崎地方検察庁が不起訴処分)。全医労は声明を発表
2018年10月 国立病院機構が7つの病院でICカードを導入した勤務時間管理のモデル試行を開始
2018年11月 国立病院機構との団体交渉で、「非常勤職員の繰り返し採用回数上限の撤廃(2019年4月から)、無期転換申し込み権発生までの通算期間を5年から3年に改正(2020年4月から)」を確認
2018年12月 国立病院機構との団体交渉で、18年3月に機構が打ち出した「19年4月からの特殊業務手当の引き下げ案」を断念させる
2019年1月 国立病院機構との団体交渉で「非常勤職員のリフレッシュ休暇2日(有給。4月から適用)」を確認
2019年7月 「総対話で仲間を増やし要求闘争を前進させよう」をメイン・スローガンに、第73回定期全国大会を開催。(1)2人夜勤の解消をはじめとする夜勤体制の強化(2)年休の取得促進(3)勤務時間管理の徹底(4)ハラスメントの一掃――の4つの要求の柱を掲げた2019年度方針を確立
2020年9月 新型コロナウイルス感染症が拡大する下で、八雲病院を北海道医療センターと函館病院に機能移転