3月11日、全医労は国立病院機構本部と「20年賃金・労働条件改善要求」の入り口となる賃金交渉を実施しました。交渉に先立ち、全医労を代表して原中央執行委員が「非常勤職員の雇用を守り労働条件改善を求める署名」1531筆(これまでの合計9779筆)を提出しました。(写真)
交渉の冒頭、国立病院機構の金森職員厚生部長は機構を代表して「新型コロナウイルス感染症への対応については、全ての職員の皆様に深く感謝申し上げる。職員一丸となって取り組む必要があることから、引き続き対応にご尽力いただきますようお願い申し上げます」との職員へのメッセージを読み上げました。
続いて「令和元年度の経常収支が12月までの累計で57億円の赤字、令和元年度の決算見込み推計は1億円程度の赤字見込みであるがコロナウイルス対応が経営にどのような影響を与えるか全く予想できない状況。法人の資金状況については、厳しい状況が続く見込みであり、常勤職員の賃金の引き上げを実施できる状況ではない。来年度の経営状況及び資金の状況などを見て判断する。年度末賞与についてはあり方について検討している。非常勤職員の賞与については、現行の6000円から200円引き上げ6200円とすることとする」などの一括回答を行いました。
同一労働・同一賃金の原則で安心して働き続けられる賃金・労働条件とせよ
これを受け、全医労の香月委員長は「非常勤職員の賞与については前回交渉を受けての回答。機構の努力は受け止めるが不満な内容。パートタイム・有期雇用労働法など新たな法律が施行されている中で、同一労働・同一賃金をどう考えるのか」と厳しく追及しました。そして無期雇用への転換が始まることなどをふまえ、改めて非常勤職員の賃金・労働条件の抜本的改善を求めました。さらに、全医労は、各病院で行われている「無期雇用への転換申し入れ」についての説明の誤り、不十分さで職場が混乱している実態について追及し、機構として責任を持って対応することを要求しました。
新型コロナウイルス対応「職員に感謝、しかるべき措置をとる」
コロナウイルスの対応について、全医労は「特殊業務手当が支給されている職員が、対象から除外されることになるなど不利益が生じている。不利益がないようにせよ」と強く求めました。これに対し、機構は「国からの急な要請に多くの職員が対応して頂き感謝している。対応の全体像が見えた時期にしかるべき措置を講ずることを考えている」と回答しました。
赴任旅費実費弁償となるよう早急な改善を約束
国家公務員の転勤に係る赴任旅費について改善があったことを踏まえ、機構も早急に対応することを要求し、機構も「早急にしかるべき対応を講ずることを考えている」と回答しました。
全医労 「特殊業務手当の引き下げを撤回し、支給対象拡大せよ」
全医労は、特殊業務手当の引き下げ撤回を要求するとともに、歯科衛生士等への手当の新設を求めました。機構は「歯科衛生士はもっぱら病棟で働く職種ではないという認識であったが、見直しの中で考えていきたい」と回答しました。
機構 年度末賞与「あり方を検討する」
年度末賞与についても、全医労は「コロナウイルス対応等一丸となっていこうという時にはそぐわない。しっかりと検討を進めよ」と強く要求しました。
全ての職員の賃金・労働条件の改善を
また、療養介助職、再雇用者をはじめ、全ての職員の賃金・労働条件の改善を要求しました。