参議院決算委員会で紙智子議員が八雲機能移転問題で質問 「治療薬もない、安全確保のエビデンスもない状況での患者移送を強行するな」

6月22日の参議院決算委員会で紙智子議員(共産)が質問に立ちました。
紙議員は、八雲病院機能移転にともなう患者移送に対し、コロナ禍である今やらなければならない理由や移送方法、スタッフへのPCR検査の実施など、患者さんの安全確保の具体策について厳しく追及し、移転時期の延期を求めました。

紙議員は、「新型コロナの第二波に備えた体制が急がれ、治療薬もワクチンもまだないのに、免疫力の低い患者さんをなぜ移送するのか。コロナ禍の移転は子どもの命を軽視している、この意見に理事長はどう思うか」と質したのに対し、国立病院機構の楠岡理事長は「8月中下旬の患者移送を予定しているが、これはあくまで予定であって、今後のコロナの状況をしっかり見極めながら、必要な措置をとっていきたい」と答えました。
また、加藤厚労大臣は「患者移送については、6月18日付けで国立病院機構に対して、医務局長から事務連絡も発出させていただいた。感染防止に対する体制をしっかりとっていただいた上で、具体的な中身について患者、また患者、家族に丁寧な説明をして、不安の解消に努めていただきたいと思っている」と答弁しました。

紙議員は「命を優先するのが厚労省だ。その厚労大臣がしっかりと言うべきことは言わなければならない。安全が担保できるのかというと、はっきりしない。しかも、患者、家族、職員から繰り返し上がっている不安というのは解消されていない」と強調したのに対し、楠岡理事長は楠岡理事長は「現在、北海道においては、警戒基準に相当する3つの基準のいずれも半分以下の状況になっている。今の状況が今後どのように展開するか全くわからないので、データを見極めながら慎重に判断することは今までどおりであり、絶対に移転を行うということを決めているわけではない。今後予想される第二波、第三波の最中に移送することは絶対にできないが、ある程度見極めの付いたところでは行わざるを得ない。そこは慎重に判断をしていきたい」と答えました。
紙議員は最後に、「何よりもこの確立されていない中では決して無理をしないようにということを改めて申し上げておきたい」と訴え、質問を終えました。

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